「ねぇ、何分に着くの?早く来てほしい」
タクシーの中で、僕は絵美から
また催促のLINEを受け取った。
「ごめん、あと5分ぐらいだから。
ちょっと待ってて!」
「わかった!
知り合いいないんだから早くして!」
また絵美からのLINEを受け取ったのと同時に、
タクシーがやっと目的地に着いた。
東京都中央区銀座五丁目。
ブランド店が立ち並ぶ銀座中央通りから
一本入るだけで、急に静かになるのが
銀座の街。
そんな銀座のど真ん中に
久々に着たスーツ姿で
僕はタクシーから降り立った。
そのまま、駆け足でビルに入り
階段で地下に降りる。
すぐにあらわれる入口の扉を開き
お店に入ると、主催の武藤さんを中心に
年代もバラバラの男女10名ほどが
寿司を食べながら談笑している姿が
目に入った。
「さわむら!遅かったな!!
やっぱ稼いでる男は違うなー!!」
いきなり大声で僕に声をかけてくれたのは
今日、僕をこの会に呼んでくれた
主催の武藤さん。
60歳を超えているとは思えないほど
明るくて若々しい声で
「相変わらず元気だなー」
なんて思わされた。
「一番年下にもかかわらず
到着が遅くなり申し訳ありません!」
そう、今年28歳になるさわむらだが
今日の会では僕が最年少。
参加者は、30代中ば~60代ぐらいまで
年代も性別も仕事もバラバラの、共通項は
出身大学が同じであるというだけの
なんともカオスな会。
ちなみに、お店に着くまでに
僕を催促し続けていた絵美は
僕の大学の同期なので、彼女も一番年下。
しかも、絵美は僕が呼んだので
この会には僕以外知り合いがいない。
それにもかかわらず、僕が30分も
遅刻をするものだから
苦情を言いたくなる
絵美の気持ちも十分わかる。
ちなみに、絵美には
会がお開きになったあと
遅刻したことに対して
めっちゃ怒られました……笑
どうも、さわむらです。
今日は、銀座で行われた
このカオスな会を通して僕が感じたこと
についてお話をしたいと思います。
ちなみに、この会は本当に
明確な目的があって
集まった会ではありません。
職業も
・不動産系
・金融系
・弁護士
・大学教授
………
など様々。
年代もバラバラな会。
主催をしてくれた、ここでは
「武藤」という名前で呼ばせていただいている
僕が学生時代からお世話になっている
先輩が仲良い人を集めた飲み会でした。
ただ、銀座の寿司屋だけあって
会費は1人2万。
何の目的かよくわからないのに
わざわざ2万円も払って来るんだから
それなりに面白い人たちが多いことだけは
事実です。
参加してる人も
「今日ってどういう会なの?笑」
と、この無目的さを楽しんでいる感じ。
そして、そこで話される内容も
普段仕事をしているうえでは
絶対に話さないような話題ばかり。
改めてこの会に参加して思ったのは
すべてに目的を持ちすぎることの弊害
です。
なんでもかんでも
「意味があるんだろうか」
「自分にとって得になるだろうか」
と考えて行動をする。
そうすると、たしかに効率よく
必要なことだけをできるかもしれません。
でも、無駄がないことばかりしてると
人間としての面白さ・深みが
なくなるんじゃないか
とも思っています。
こういった、ある意味
「ムダ」な時間をどれだけ楽しめるか。
また、そもそも「ムダかもしれない」
と思いながら場に行こうと思えるか。
そういった一歩の踏み出しができるかが
人間としての面白さ・深みをつくる
と思っています。
僕自身、どうしても
普段から情報発信とコンサルが
メインになってしまう。
そうすると話す内容も
同じようなことばかりだし
人間関係も偏り気味になってしまう。
そんな危惧を抱いているので、定期的に
こういった「明確な目的を持たない会」
に参加するようにしています。
当然、そこで仕事につなげようなんて
一切思っていません。
ただ、今書いているこの記事もそうですが
そういった場に足を運ぶことで
こうやって「語れるネタ」
が増えることはたしかです。
ちなみに、僕は趣味でも同じように
定期的に新しいものに触れるということを
やっています。
例えば
・美術館に行く
・オペラ、オーケストラの演奏を聴く
・落語、狂言、歌舞伎を観に行く
といったものを年に1回ずつします。
もちろん、何もわからないから
詳しい人に比べたら感動は薄いかもしれない。
でも、こういった「芸術作品」には
つくり手・演じ手の
「命」が籠っていると思っていて
それを生で体感するということは
できていると思っています。
そして、僕はそれを感じられるだけで
いいと思っている。
なぜなら、意図的にこういうことをしないと
どうしても仕事や仕事の繋がりの人との
付き合いばかりになってしまう。
そうやって
人間として単調になってしまう
ことが、もっともやってはいけないことだと
思うからです。
人として深み・幅を出すこと。
これって、お金を稼ぐうえでも
女の子からモテるうえでも
必須なんじゃないかな
と思っています。
もちろん、自分のビジネスの
基礎力をつけることは大前提ですが
そのうえでこういった
「あえて仕事には何も関係ないことをやる」
そんな機会をつくってみても
良いのではないでしょうか。
無目的さのなかにこそ価値がある。
僕はそう思っています。
ということで、今日のお話は以上です。
それでは!